BLUE
小さい頃から青が好きだった。
絵を描けばいろんな色は必要だし、色は無限に作れるし、
混ぜすぎればグレーになるし、グレーも好きだし、
どの色も素敵だと思うけど、
私には今もずっと青が特別な色だ。
思い返せば深い青の絵をやたら描いていた。
抽象や夜空モチーフが多かった気がする。
自分の精神状態を、表したいのか求めたいのかわからないけど、
ずっと青に向かっていた。
彫刻を始めてからは緑青(青銅色)が着色や色反応の基本だったりで
しっくりくる一つの要因だったと思う。
小さい頃どんなふうに青が好きだったかあまり思い出せないけど
やっぱり空や水が好きなのかなあと思う。
田舎の空が広くて海が近いところに住んできた。
空と海以外は植物などで青に御目に掛かることは少ない。
空が刻々と色を変える様子は生活の指針であったし、心を動かしてきた。
心理学?でも青は心を落ち着かせる作用があるらしい。
日が落ちる直前や、日が昇る直前の深い青が特に好きだと思う。
自分が住む近くには汽水湖があり、太平洋とつながっている。
海と空の風景をただ眺めることは自分にとってずっと大切な時間だった。
ただ眺めて、座ってるのが好き。
沖縄に進学してからも、学校のすぐ横の龍潭池にすぐ行って座ったり
散歩したり、思い立ったら海に行って座っていた。
青い服を着ていると、守られている感じがする。
とてもしっくりくる。
17歳のとき、仲良くしていた染織の講師の方がカセットテープを貸してくれた。
Joni Mitchell / BLUE
1971年の作品だが一音目から衝撃だった。
聴いたことないコード、聴いたことない音色、聴いたことない声、
聴いたことない展開。カセットプレイヤーで登下校のバスの中、
ひとり旅の時もしばらくずっと聴いてた。その時は音楽との出会いが大きかった。
19歳のとき大学に入ってからおそらくあれが初恋と言っていいだろうという
吐きそうな恋があった。
※写真は知多半島のどこか